アイデアが出ないとき、あなたはどうしていますか?

デスクの上にノートと黒猫がいる様子

シンガーソングライターとしての活動を辞めたあと、私は「次、どうしよう」と思っていました。

アイデアが出ない、というより、もう作りたいものが分からなかった。

楽曲提供の仕事が定期的にあったので、「こういうものを作って欲しい」と言われて作ることが多く、自分は自分のためにだったら、何が作りたいのか?分からなくなっていました。

そんな2026年の9月、たまたま蔦屋書店で目に入ったのが、この『クリエイティブの授業』でした。

もともとは10年前からある本ですが、新装版として並んでいました。

クリエイティブの授業

『クリエイティブの授業』ってどんな本?

アメリカの作家でアーティストのオースティン・クレオンが書いた本で、
原題は「Steal Like an Artist(アーティストのように盗め)」です。

ひとことで言うと、「無理にオリジナルを目指さなくていい」と背中を押してくれる本です。

私に一番刺さったのは、この4つでした。

  • オリジナルなんてない
  • アーティストのように盗め
  • はじめは無名がいい
  • パソコンから離れる

この記事では、本に書かれていることと、それを私なりにやりやすく変えて、実際にやってみたことを分けて書いていきます。

オリジナルなんて、存在しない

この本の一番の主張は、ゼロから生まれるオリジナルなんてない、ということです。

だから、優秀に盗めばいい。

料理と同じですね。誰も、材料を自分で発明して料理を作るわけではありません。
材料を揃えて、組み合わせて、新しい料理を作る。

susuman

材料は、音楽からだけ集めなくてもいいんです。
映画でも、本でも、街の景色や人間観察でも。

材料の集め方:情報デブにならない

材料の集め方のコツは、溜め込まないこと。

なんでも拾う収集車になるのではなく、自分の主観に引っかかった「これこそ」と思うものだけを集める。

情報をとにかく溜め込む「情報デブ」になってしまうと、他の人との、いらない比較まで生まれてしまいます。

「誰かがやってるからいいや」で冷める

これ、私にはすごく大きかったですね。

YouTubeなどでいろんなものを見たり聴いたりして、比べてしまう。

「こんな風には作れない」
「もう誰かがやってるからいいや」

と思って、冷めてしまう。

でも、それは私が知ってしまっただけで、他の人は知らないかもしれません。
これはホントそう、と思いました。

だから、もし似たものがあったとしても、自分が作ったっていいんです。

susuman

情報が多すぎると、作る前に、自分の中で勝手に完結してしまう。

そこに気づけたのが、この本を読んで一番よかったことかもしれません。

方法① 好きな人を、オタクのように調べる

壁に好きなアーティストの写真が並んでいて、それをタッチする黒猫の様子

ここから具体的なやり方を説明していきます。

まずは好きなアーティストを1人選ぶ。好きな曲でもいい。
その作り手を、オタクのように徹底的に調べます。

そのアーティストが「影響を受けた」と語っている人がいたら、その人も同じように調べる。

そうやってたどっていくと、あなたのDNAが、過去の偉人たちとつながっていきます。
彼らだって、同じように優秀に盗んできたんです。

susuman

そして、こう考えてみましょう。

この人たちの曲を、どうしたらもっとよくできる?

自分だったらどうする?

もし彼らが今生きていたら、どんな曲を作ると思う?

過去の偉人を、自分に憑依させるんです。

好きなアーティストを深掘りしていく図式

私がやってみたこと

好きなアーティストを深掘りしてみたら、「私って、やっぱりこういうのが好きなんだな、こういうのがやりたいんだな」と、改めて気づけました。

それで、私はマシンライブに行き着きました。

3人1組のユニットを組んでみる

本には、好きなクリエイターたちを集めてコラボさせたら、どんな作品が生まれるだろう?という問いかけがあります。

これを私は、もっとやりやすい形にしてみました。

好きな音楽アーティストを1人。
音楽以外のジャンルで好きな人を2人。

この3人で、ユニットを組んだと考えてみる。

彼らは、どんな作品を作るでしょうか?

方法② 自分に無名のアーティスト名をつける

本の中に「はじめは無名がいい」という話があります。

つい、有名であることのメリットの方が目立ちますよね。
でも、無名であることの良さもある。

それは、自由です。

susuman

誰にも注目されていないから、自由に試せるし、失敗もできる。

自分を不自由にしているのは、自分なんですよね。

ここで、それに気づかされました。

自分に、無名のアーティスト名を授けてみる

ここから、私が考えた方法です。

自分に、新しい無名のアーティスト名をつけてみる。
誰にも知られていないあなたは、何を作りますか?

今までの自分のイメージや、周りの期待、同ジャンルでの他のアーティストとの比較から、少し自由になれます。

方法③ 頭ではなく、身体で作る

楽曲制作デスクと黒猫

本の中で、イギリスのコメディアン、ジョン・クリーズの言葉が紹介されています。

「アイデアがどこから湧いて来るかなんて分からない、でもパソコンからじゃないことだけは確かだ」という内容です。

頭だけで作らないこと。
身体を使ってみる。

たとえば、ただおもむろにシンセサイザーを鳴らしてみる。
鼻歌でもいいし、歌詞になっていないような言葉を適当に歌ってみるのでもいい。

情報ではなく、自分の身体を通して、自分の中にフォーカスしていくんです。

パソコンを置かない場所を作ってみた

私は実際に、パソコンを置かない空間を作ってみました。

すると、他人との比較がなくなりました。

susuman

比べる相手が目に入らないだけで、こんなに静かで創造的になれるんだ、と思いました。

とても有意義でした。

方法④ 場所を変える、聖域を作る

自分だけの、クリエイティブの聖域を作るのも効果的です。

物理的に難しければ、目を閉じて好きな音楽を聴くだけでもいい。
Spotifyでも、レコードでも、ラジオでも。ただ外の音をじっと聴くのでも。

私の聖域

私の場合は、部屋に作ったマシンライブの環境です。
見ているだけで、超楽しいし、すごく興奮します。

マシンライブ環境

それから、散歩。

人があまりいない、自然のある公園をウロウロしながら考え事をしていると、ふと浮かんでくることがあります。

旅行先で、アイデアをスケッチする

旅先の宿で、机の上の鍵盤付きMIDIキーボードで音楽制作を行い、それを黒猫が見ている様子。

これは、私からのおすすめです。

思い切って旅行に行って、道中の電車や宿で、アイデアをスケッチしてみる。

susuman

場所が変わると、脳への刺激が明らかに変わって、クリエイティブのしっぽを掴みやすくなります。

方法④ 制限をつける

こちらも、わたしからのおすすめのやり方です。

ある程度アイデアが集まったら、今度は捨てるものを決めます。

自分に制限をつけるんです。

susuman

例えばトラック数は10まで。
生録音だけにする。
80年代っぽいと感じるもの以外は使わない。

なんでもいいので、とにかく自分にルールをつけてみましょう。

楽曲制作デスクの上で、ぐちゃぐちゃに丸めた紙と付箋が貼ってあるノートを黒猫が猫パンチしている様子。

私の今のルール

私が今、自分につけているルールは、DAWを使わないこと。
マシンライブで演奏して、録音して、そのまま出す。

制限があるからこそ、「じゃあ、こうしてみよう」という工夫が生まれます。

susuman

不思議なもので、制限をつけるほどなぜか自由になる感覚があります。

こんな人におすすめ

  • 何を作りたいのか分からなくなっている人
  • 依頼されて作ることに少し疲れて、もっと自分らしさを追求したい人

依頼されて作る音楽にも、やっぱり自分の要素は入れたいし、出てしまうものだと思います。

でも「その出てしまうものって何?」と、ぐちゃぐちゃ考えてしまう。

そんな人には、きっと響く本です。

おすすめしない人

  • 「自分はこれが好きで、これをやっています」とはっきり言える人

susuman

もう自分の軸がはっきりしている人は、読まなくて大丈夫だと思います。

それで言うと、私はもう卒業生かもしれません(笑)

あなたは、どう思う?

アイデアが出ないのは、才能がないからではありません。

材料を集めすぎて、もしくは足りなくて。

比べすぎて、頭だけで作ろうとしているだけなのかもしれませんね。

オリジナルなんてない。
だから、まずは安心して盗むところから始めればいいんです。

あなたは誰を盗みたいですか?

気になる方はぜひ読んでみてくださいね。

クリエイティブの授業 STEAL LIKE AN ARTIST “君がつくるべきもの”をつくれるようになるために

となりのTOI